作業療法(Occupational Therapy : OT)
作業療法士:36名
(成人担当:25名)
(小児担当:11名)
(令和6年10月1日現在)
作業療法(成人部門)
1階訓練室 |
ADL訓練室 |
入浴訓練室 |
4階訓練室 |
作業療法の内容
主に運動面、高次脳機能面、日常生活面、心理面へのアプローチを行っています。
また、自助具の作製、考案、紹介なども行います。
1. 運動面
などを行います。 |
上肢機能訓練の一例 |
2. 高次脳機能面
脳が損傷されたことにより現れる次のような症状を高次脳機能障害といいます。
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半側空間無視の現れ方の一例 高次脳機能訓練 |
作業療法では、日常生活で患者様がどのように困っておられるかを把握し、訓練や支援を行っていきます。
3. 日常生活面
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4. 心理面
作品作りなどを通じて、生活に対する意欲を維持し、不安を和らげ、精神的な安定を図ります。
5. 自助具の作成・考案・紹介
現在のからだの機能を補うことで、毎日の生活がさらに安全で快適なものになるように、自助具をご紹介する場合もあります。
ソックスエイド |
ループつきタオル |
6. ドライビングシミュレーター
作業療法士と一緒に自動車の運転復帰に向けて、運転に対する評価・訓練をサポートするドライビングシミュレーターを導入しています。 |
作業療法(小児部門)
作業療法では…
子どもの作業療法では
- 「子どもさんの遊んでいる様子」
- 「お母さんや園の先生へのインタビュー」
- 「これまでの育ちや文化」
- 「必要に応じて検査(感覚統合検査など)」
などから、子どもの全体像を分析します。
子どもがいきいき生活するには…
例えば、縄跳びが苦手な子に対して |
そこで、子どもさんの苦手な活動の工夫、関わり方の工夫も大切にしています。
子どもさんといろいろな活動をつなげるのが作業療法になります。
対象疾患
発達障害、運動発達遅滞、脳性まひ、ダウン症、生活の中で何かしら苦手なことのある子どもが対象となります。
治療内容
1. 運動面へのアプローチ
《目的》
- 「首の座り・四つ這い・座位・立位」など基本的な姿勢
- 「力加減・手足のスムーズな動き」など身体の動かし方
これらをコントロールできるようになることが目的となります。
安定した姿勢は日常生活動作や学習・遊びでの効率のよい目と手の使用につながります。
《方法》
好きな遊び・おもちゃを使い姿勢の練習を行います。また、遊具を通して練習を行います。
2. 日常生活面(ADL)へのアプローチ
《目的》
- 食器の使い方、食べ方、偏食の改善など、食事場面
- 上衣、下衣の脱着など着替え場面
- 排泄の事前・事後予告など排泄場面
これらを子どもが自発的に行いやすくなることが目的となります。
《方法》
動作方法の工夫を提案し子どもと一緒に練習していきます。道具の改造・工夫など環境設定を行う場合もあります。
3. 遊びへのアプローチ
《目的》
遊びとは…
- 遊びと達成感
子どもは、自発的に関わって「できた!」という経験をもとに学習し、成長していきます。 - 好きな遊びで日常生活動作を練習する
遊びでは、日常生活動作に近い活動を行っています。
例えば… |
そこで、作業療法では、遊びを通して子どもが自発的に遊びを広げ、挑戦していけることが目的となります。
《方法》
子どもさんの遊び・課題の段階に合わせ、おもちゃ・遊具を作業療法士がアレンジを加え提供します。
4. 学習面へのアプローチ
《目的》
- 書字
- 数の概念
- 手の操作
- 道具の操作(ハサミ・定規など)
こうしたことが上手くいくことが目的になります。
《方法》
- 手の機能(つかむ、つまむ、離す)
- 目の機能(追視・注視)
- 目と手の協調
- 図形の捉え方
使っている道具(鉛筆・ハサミ)などを分析し、椅子・鉛筆などの工夫・改造を行い環境面を整えます。園の先生、学校の先生へのアドバイスをさせていただく場合もあります。
5. 心理面・対人面へのアプローチ
《目的》
- 情緒の安定
- 自尊心の向上
- 対人関係の広がり
- 集団での生活をほどよくこなせる
これらが目的となります。
《方法》
子どもの好む遊びなどから、どのような方法が情緒の安定につながるかを見つけていきます。また、作業療法士を媒介として、貸し借りを行う、ノンバーバルコミュニケーションなどに気づくように関わるなどして、対人関係の取り方を伝えます。園・学校へアドバイスさせていただくことがあります。
訓練室
職員教育
「子どもから学び、ともに子どもに還元する」という考えのもとで「ともに学び、ともに高みをめざす集団」をめざすため、勉強会を月2回の頻度で計画的かつ定期的に開催しています。子育て中のスタッフも参加しやすいようにZOOMを活用した勉強会も行っています。
《主な勉強会内容》
- 知識、情報、評価、治療的介入及び支援、保護者支援、アウトリーチによる支援及び応援、研修会講師に関することなど、小児OT事業に関連するすべてのことで、疑問に思ったこと・気になったこと・深めたいこと・教えてほしいことなどをお互いに出し合い深め合います。
- 外部で主催されている学会・研修会等で学んだことを更に深め、他職員に伝達し共有しています。
- プリセプター制度の一環である症例検討を行っています。この症例検討は、発表者の学びだけではなくプリセプターとしての学び、参加者にとっての学びの機会でもあり、お互いが学ぶ場となるように行っています。
- 必要に応じて臨床実習の症例検討を行っています。この症例検討も学生の学びだけではなく、臨床実習指導者をはじめ参加者にとっても学びの機会であることを前提に症例検討を行っています。
- 希望者は感覚統合認定講習会など長期日程の研修会にも積極的に参加しています。